HOME > 連結納税制度がグループ通算制度に移行されます > 第1章 グループ通算制度について > 7.申告書の提出

7.申告書の提出

(1)申告書の提出方法

資本金の額に関わらず電子申告のみ

書面申告、電子申告の2通りの提出方法がありますが、必ずしも好きな方法を選択適用できるわけではありません。

  単体納税 連結納税制度 グループ通算制度
法人税
事業税及び住民税
資本金の額が1億円以下:
書面申告または電子申告選択
資本金の額が1億円超:
電子申告のみ
親法人の資本金の額が1億円以下:
書面申告または電子申告の選択
親法人の資本金の額が1億円超:
電子申告のみ
資本金の額に関わらず電子申告のみ
(注1) 資本金の額1億円以下の電子申告:決算書、勘定科目内訳書、事業概況説明書他提出すべき書類は書面提出が可能
資本金の額1億円超及びグループ通算制度の電子申告(義務化):決算書、勘定科目内訳書、事業概況説明書他提出すべき書類も一定の様式で電子申告が必要(原則書面提出不可)
(注2) 中間申告について:前年度実績による予定申告の場合には、申告書の提出は不要(納付のみ)

(2)誰が申告書を提出するか?

各制度により確定申告書・中間申告書を提出する法人が異なります。違いを見てみましょう。

  単体納税 連結納税制度 グループ通算制度
法人税 各法人が提出 親法人が提出 各法人が電子申告で提出(注)
事業税及び
住民税
各法人が提出 各法人が提出 各法人が電子申告で提出

(注)

  • ・ グループ通算制度適用前に「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出していない場合には、通算制度開始日から1月以内に同届出書を提出します(例:親法人は提出済、子法人は未提出→子法人のみ提出します)。
  • ・ グループ通算制度では、原則各通算法人が申告を行いますが、親法人が子法人分も合わせて法人税の申告書の提出を行うこともできます。

(3)電子申告で必要な署名

申告書を「書面」で提出する場合所定の欄に「代表者の自署」が求められていますが、電子申告の場合には「電子署名」の添付が必要となります。

  親法人の代表 子法人の代表 関与税理士
各法人がそれぞれ提出する場合
親法人が一括で提出する場合
関与税理士が提出する場合

(4)確定申告期限(法人税/事業税及び住民税)

申告書提出の期限延長が制度により異なります。

  単体納税 連結納税制度
グループ通算制度
原則 事業年度終了の日の翌日から2月以内
特例 「申告期限の延長の特例の申請」が承認された場合 (原則として)事業年度終了の日の翌日から3月以内 (原則として)事業年度終了の日の翌日から4月以内
親法人の申請書提出で全法人に適用される
「申告期限の延長の特例の申請書」の提出期限 事業年度終了の日まで 事業年度終了の日の翌日から45日以内

(5)中間申告(予定申告)期限・注意点

中間申告は、各制度により手続きが異なるため注意が必要です。

  単体納税 連結納税制度 グループ通算制度
法人税
事業税及び住民税
事業年度開始の日以後6月を経過した日から2月以内
例 3月決算 → 6月を経過した日(10月1日)から2月以内(11月30日)

(グループ通算制度での中間申告注意点)

前年度実績による予定申告:納付税額が10万円以下の場合には申告・納付は不要です(各通算法人ごとに判定)。

仮決算による中間申告:

  • ①全通算法人が実施します。
  • ②全通算法人の、各法人ごとの前年度実績納付税額が10万円以下の場合には適用できません。
  • ③全通算法人の仮決算による納付税額合計>全通算法人の前年度実績納付税額合計の場合には適用できません。

(6)連帯納付義務

複数の法人を「1つのグループ」とみなして税額を計算し申告をするため、税金の納付について「連帯納付」という考え方が適用されます。

連結納税制度 グループ通算制度
連結子法人は、連結親法人の連結所得に対する法人税について、連帯納付の義務がある。 原則として各法人が納付を行うが、通算法人は他の通算法人の所得に対する法人税について、連帯納付の義務がある。

(7)消費税との関係

①グループ通算制度は適用されるのでしょうか。

消費税等についてはグループ通算制度は適用されません。

会計処理・・・グループでの税抜処理・税込処理の統一は求められていません(実務上は統一するケースが多いと思われます)。
申告期限・・・原則は事業年度終了の日の翌日から2月以内となりますが、「消費税申告期限延長届出書」(※)を提出した場合には3月以内となります。

※ 法人税について「申告期限の延長の特例の申請書」を提出している場合に、提出することができます。

②みなし事業年度の消費税申告

消費税の課税期間は、法人税の事業年度を引用しており「みなし事業年度」も含まれます。
事業年度の途中でグループ通算制度に加入する場合、親法人と事業年度 が異なる場合には「みなし事業年度」が採用され、消費税の申告も必要となります。

執筆協力:朝日税理士法人

前のページに戻る

8.青色申告との関係

このページのトップへ