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富国生命保険相互会社様

業務部門や人事部門ごとに別々の基幹システムで管理し書面で作成・提出していた法定調書や地方税申告書(給与支払報告書、公的年金等支払報告書)(以下、申告・申請書類という。)の申告・申請業務の社内フローを、電子申告の利用を前提に新たに開発した管理システムと「電子申告連携の達人」を利用して電子データでの運用に見直すことによって、大幅な効率化とリスクの低減を実現した。

お客様導入事例パンフレット(富国生命保険相互会社様)

導入の背景

生命保険会社では、業務を行う上で多岐にわたる申告・申請書類(法定調書、公的年金等支払報告書等)を作成し、提出している。富国生命保険では、社内の各部門や外部関連団体で作成された申告・申請書を経理部門で取りまとめ提出していたが、総数で十数万枚にも及ぶ書類の確認・仕分け作業などに膨大な時間を要しており、大きな負担がかかっていた。そのような中、2014年1月からの大量の申告・申請書類の電子データでの提出義務化の情報を入手し、これを契機として電子申告の導入と、それに合わせた社内フローの見直しに着手することとなった。

課題

富国生命保険相互会社 経理部 経理グループ 調査役 清水 猛氏

富国生命保険相互会社
経理部 経理グループ 調査役
清水 猛氏

経理部門では、社内の各部門や外部関連団体で作成された十数万枚に及ぶ申告・申請書類を取りまとめて提出していたが、大量に個人情報を取扱うことによるリスクと、短期間に処理を完了させなくてはならないという2つの課題を抱えていた。1つ目の大量に個人情報を取扱うことについては、十数万枚に及ぶ大量の書類の枚数チェックや運搬・保管・管理について、紛失のリスクを意識した注意を払いながら対応する必要があった。保管に関しては1ヵ月ほど、施錠できる会議室を占有し運用していた。2つ目の短期間(1週間程度)で業務を行うという時間の制約については、特に負担が大きい地方税申告(給与支払報告書、公的年金等支払報告書)の提出市区町村ごとの仕分けや総括表の作成、封入封緘、発送などの処理を、1月の繁忙期に、派遣社員も残業するなど経理部門の担当チームメンバー全員が関与して、延べ70時間程度の時間を要して実施していた。なお、仕分けについては、職員分(給与報告)とお客様分(公的年金報告)に分けての分類や、複数の年金管理システム特有の仕分けもあり、誤りが許されないというプレッシャーの中で、大きな負担を強いるものとなっていた。

今回のインタビューでは、申告・申請窓口の経理部門での申告業務や抱えていた問題についての話であるが、「各部門でも、印刷・チェック・運搬等を短期間で行う必要があり、負担と苦労があったと思われる。」と語る。

選定のポイント

富国生命保険の事務企画部門では、早くから2014年1月からの申告・申請書類の電子データでの提出が義務化となることの情報を入手しており、関連法案が成立した2012年4月に、NTTデータに相談したことがきっかけとなった。

事務企画部門で何社かの比較を行った結果、法人企業向けの電子申告サービス(「電子申告連携の達人」)の提供の実績、電子データ提出義務化も見据えた保険業務特有の申告・申請書類の電子申告の対応の具体的な予定、豊富な情報提供等が選定のポイントとなった。

導入の流れ

管理システムを構築するにあたって、事務企画部門が中心となって、社内の各部門との調整や各基幹システムのデータのクレンジング、「電子申告連携の達人」の連携仕様を元にした電子申告に必要な機能追加などの開発、「電子申告連携の達人」の体験版を利用した試験・検証を行った。

実際に電子申告のオペレーションを行う経理部門では、事務企画部門と連携して社内各部署との連携を見直し、また何種類もの申告・申請手続きの電子申告を行うために「電子申告連携の達人」の操作習熟については、国税や地方税それぞれの操作を本番前の11月に1日2~3時間、約1週間程度掛けて繰り返し実施した。

[電子申告を行った対応調書]

国税 ・法定調書 給与所得の源泉徴収票
・法定調書 生命保険契約等の年金の支払調書
・法定調書 生命保険金・共済金受取人別支払調書
・法定調書 公的年金等の源泉徴収票

地方税

・給与支払報告書
・公的年金等支払報告書


導入効果

富国生命保険での電子申告の導入効果として、「大量の個人情報の取扱いリスクの減少」と「申請・申告業務にかかる時間と稼働の削減」があげられる。
電子データでの運用が前提となり、書類の移動や仕分けの際の紛れ込みなどの紛失リスクや手戻りが無くなったことによって、大幅なリスクの軽減と作業効率を実現した。特に地方税申告の提出先市区町村ごとの仕分け・封入封緘・発送作業が全くなくなるなど、時間的な削減効果については経理部門だけでも約60時間であり、他の部門を含めると約100時間近い削減効果が見込まれるという。実際に社内で最も大量のデータを取扱う年金担当部門からは、「毎月書面で調書作成を行っていたが、電子データでのやり取りとなって印刷や運搬の手間が無くなり、大変やりやすくなった」との声があった。

これらの成果については、電子申告の導入だけでなく、社内フローの見直しや構築した管理システムによる機械的なデータのチェック機能など、全体最適化の成果によるものである。

今後の展望・要望

富国生命保険相互会社 経理部 経理グループ 副長 髙田 清文氏

富国生命保険相互会社
経理部 経理グループ 副長
髙田 清文氏

富国生命保険での特長的な取り組みとして、電子申告の利用を前提とした社内運用フローを導入するために、社内部署の各基幹システムで保有している法定調書や給与支払報告書、公的年金等支払報告書等の申告・申請データを一元管理して集約できる管理システムを新たに構築したことがあげられる。

当初の目的を達成出来たことには一定の満足は得られている。地方支社の住民税の納付処理を、本社で集約して一括して実施することにより地方支社の事務処理の負荷軽減を目論んでいる。5月には各市区町村から通知される住民税の税額決定通知を本社で一括回収することになるが、更なる効率化のためにも、まだ100%ではない市区町村からの税額決定通知の電子データ化を希望されている。

その他、地方税の申告後に追加や修正等の対応が発生した場合、市区町村によって書面や電子申告などの手段の指示が統一されておらず、個別の調整や対応の手間が発生しており、全市区町村での電子申告対応を機に、是非統一された事務処理の確立を要望されている。

最後に、今後これらの手続きもマイナンバーや法人番号制度に対応していくことが想定されるため、今回の社内フローの改善も踏まえて事務企画部門と相談しながら、検討を進めていきたいと語る。

「電子申告連携の達人」導入後の効果

印刷・仕分け・封入・発送 5、6名70時間(1週間) → 5、6名10時間(1日)
人件費 電子申告導入後、臨時派遣社員分の残業0
印刷費、郵送費、紙代 電子申告導入後、0
他部署にて掛かる、印刷費・郵送費 電子申告導入後、0

電子申告利用の申告・申請フロー

お客様プロフィール

本社 東京都千代田区内幸町2-2-2
設立 大正12年11月(1923年)
資本金 1,060億円(基金償却積立金を含む)
事業内容 個人・企業向けの保険商品の販売と保全サービス、財務貸付・有価証券投資など
URL http://www.fukoku-life.co.jp/

※ 記載されている内容は2014年5月現在のものです。

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